2014年4月30日水曜日

感想)ノアノオモチャバコ『胎内』 2014/4/29 15時 西鉄ホール

福岡演劇フェスティバル、個人的にはこれで5つめのお芝居。


*ノアノオモチャバコ
http://www.noa-toybox.com/
HPより〜2001年、寺戸隆之(脚本・演出)が上智大学ロシア語学科在籍中に演劇ユニットとして旗揚げ。9作品を発表後、ユニットを解散。 2006年に俳優・ダンサーを所属メンバーに加え劇団として再結成。東京を拠点に、年2〜4本の新作を上演している。

西鉄ホールの通常ならステージにする側に座席をしつらえ、中央に長いステージを置く。うすぐらい照明、黒い衣裳でうごめくダンサー、ほぼ絶叫系のせりふが続く主要キャスト3人。ライブのパーカッション演奏がオーケストラピット的にステージと客席のあいだでおこなわれる。
最終シーン、「テント芝居の最後にあるような感じで」黒い幕ががさっとおち、本来の客席である座席が舞台となる。

「胎内」という三好十郎さんの原作は1949年発表(「中央公論」1949(昭和24)年4、5月号)。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001311/card50080.html

重いテーマだし、台詞だし、演出だし、とにかくいろいろと昔みたお芝居やダンスの亡霊が蘇ってきては、現代的な切り口で上書きされていくような、ゆめうつつの不思議な舞台でした。

こういうのは「舞台を見慣れた」客には、とてもしっくりと来るのかもしれないと思いました。
そういうの、そういえば、コンテンポラリーアートの展覧会でも、あるなーと。
「前提となっていること」を分かるかどうかで、体験がだいぶ変わるという作品。
もちろん「前提となっていること」が分からない人を拒絶はしてないんだけども、すこし置いていかれる感覚は漂う。
その もやっと感をどう受け止めるか。

アフタートークまで聞いて、脚色・演出の寺戸隆之さんの、揺るがない自信が凄いな〜、感じました。
実力あるってこういうことよね〜
自信なきゃ、だめだよね。
と、最後は、勇気をもらったステージでした。

あらためて追記。
パーカッションのライブ演奏 ほんと面白かった。
佐藤太志朗さん。
パーカッショニスト・写真家だそうです。
楽器以外のものも使ってました。


ノアノオモチャバコ
『胎内』    

舞台は戦後直後の日本。とある山奥の洞窟に入り込んだ男女がいた。
逃亡を企てている闇ブローカーと、その愛人である。
しかし、無人だと思った洞窟には復員兵の男がいた。洞窟は戦時中の防空壕で、男は昔この防空壕を掘っていたという。
そんな矢先、突然の地震で出入口がふさがれてしまう。食糧も尽き、抗うことのできない“死”が迫りくる恐怖の中、徐々に見え始める“生”の意義。
仄暗い闇の中で彼らが見たものは、我々が日常で忘れかけている“生”の輝きかもしれしれない。

2013年に神奈川で初演した本作を、東京公演を経て福岡で上演します。極限状態に追い込まれた3人が織りなす、激しい葛藤の物語を、パーカッション奏者とのコラボレーションで描きます。


原作:三好十郎
脚色・演出:寺戸隆之

出 演 : 生野和人、吉田有希、佐野功、早川紗代、菅野佐知子、山森弘毅、松倉かおり、中津育美、成瀬清春、前田勝 他

スタッフ : パーカッション:佐藤太志朗、野良人エリヲ
舞台監督:吉田慎一(Y's factory)
照明:今西理恵(LEPUS)
音響:葵能人
■日程■
4月29日 火 15時00分
4月29日 火 18時30分

開場時間:開演30分前
上演回数 : 2回
上演時間 : 未定
未就学児児童の入場 : ×


■場所■
西鉄ホール
 

■料金■
■前売り : 一般/2,300円、ペア/3,800円、学生/1,800円
■当日 : 一般/2,500円 (全席自由)
その他 :

■チケット■
ノアノオモチャバコ [団体公式サイト]
チケットぴあ(Pコード:435-587)
ローソンチケット(Lコード:84763)

■お問い合わせ■
ノアノオモチャバコ
080-3710-3363

主催ノアノオモチャバコ
主催福岡演劇フェスティバル実行委員会
提携西鉄ホール


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